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エスゾピクロンの散歩

左側上下親不知抜歯レポ

先日親知らずを抜いてきた。左側上下2本。左右は同時に抜けないらしい、麻酔の効きがどうちゃらこうちゃらで。けど片側だけなら一気に2本可能とのことだったので、絶対に良い思い出になると思って、イッキしてきました。良いの基準はよう分からん。

まず麻酔注射を歯茎に打ってもらうでしょ、それで口をゆすぐじゃん。でまた寝かされて、全然麻酔回ってないのに何やら先生「メス。長い方」とか言って助手に鋭利な刃物を持って来させてるの。して私の下側の歯茎にピッピッと切れ目を入れて準備完了って言ったね。でもまあ私はまだ麻酔効いてないので普通に「ウグ」って声漏れたわ。イテーわ普通に。

次に、親知らずと神経が近すぎる位置にないか確認するためにいったん立体レントゲンを撮影してもらうのね。順番逆じゃね。メス後で良かったんじゃね。別室に入ってなんかそんなような機械のそれっぽい皿の上に顎置くじゃん。すると左右両側から壁が迫ってきて頭を挟まれる。このときヤクザの拷問器具のことを彷彿とさせられ心臓どきどき、息ゼエゼエになってた。しまいに両手で下のバーを握らされるじゃん。バーを握るって行為はどうも苦手なんだ。ジェットコースターとか激しい乗り物に付き物でしょ。私は激しい乗り物が苦手なの。頭の中ヤクザ、ジェットコースター、麻酔、メス、ヤクザ、ジェットコースター、麻酔、グリコ、チョコレート、パイナップル。顔面蒼白ホワイトサワー、精神グデングデンのおでん。そんな感じで待機してたら左右の壁の周りの壁(?)がキュイーンと周り出して、なんとなく、恒星っていい身分だなと羨んだりした。地球には月がいるけど私には拷問器具がある。

レントゲン写真では左下の親知らずが真横に生えてて、なんかタイの涅槃仏みたいで尊かったです。

撮影が終わるといよいよ抜歯。また治療室に戻って先生と前のスクリーンで歯のスキャン画像見ていく。口内ならどこの断面でも確認できるのね。ここが神経でこれが歯の根っこですとか説明されたけどどっちも小さな点に見えたのでよく分からなかった。エコーで見るお腹の赤ちゃんも最初はこんな感じなんだろうな。「なんだかかわいいですね」とコメントした。返事はなかった。

イスが後ろにウイーンと倒れて口の周りだけ穴の空いた布をペラっと乗せられ、そういうAVあるよね、デジャヴ。と思った(実際にあるのかは不明、だいたい私の妄想)麻酔が効いてきて、感覚も意識も麻痺して、精神世界に突入した。的なこと言ってみたかったけど。実際は、歯が抜かれるのを嫌がってグギュギュ‼キュウッ…キュウッ‼と泣き叫ぶも、虚しくつまみ出される様子を聴神経で感じていたよ。伝わってたよ、最期の叫びが。

さっきまで私の中にいたのに、出てって、もう二度と戻らないんだね。そんなに泣くなよ、寂しいのはお互い様なのさ。

それから厚いガーゼを噛まされて、うがいを二回で止められて、防腐剤みたいな薬を飲んでその日はおしまい。ちなみに今も防腐剤飲んでます。何かが腐ってはならないので。